第15 回 藤沢今昔・まちなかアートめぐり2024
「希う?(KOINEGAU?)」というテーマで、第15回藤沢今昔・まちなかアートめぐりが10月26日(土)~11月17日(日)の土日祝日に開催され、旧東海道藤沢宿の蔵や町家などを会場に、現代美術を展示しました。一部を紹介します。
旧桔梗屋会場
旧東海道に面した旧桔梗屋の外観
佐々木薫 作
作者の言葉:苦手な色との対話を続けている。苦手ゆえ彼ら(色)を遠ざけていたが、向き合ってみると、案外癖はあるがいいヤツ(色)だったりする。日々小さな気づきの連続が楽しくて仕方がない。(藤沢今昔まちなかアートめぐりHPより ⇒ 以下*)
Laura Feldberga(ラウラ・フェルデベルガ) 作
ネット編みの始まり
ネット編みの終了間近
作者の言葉:ラトビアから4回目の参加です。今年の作品インスタレーション「果てしない青空」のアイデアは、激動の時代に生まれました。現在、世界の多くの地域で戦争や暴力が起きています。カモフラージュネット作りは、人々が集まって身を守るための物を作る活動です。青色は空と希望を象徴しています。誰でもネット編みに参加できます。(*)
旧桔梗屋は、旧東海道藤沢宿で茶・紙問屋を営んだ旧家であり、市内に現存する唯一の店蔵及び江戸時代末期の文庫蔵を含む3棟が国登録有形文化財の登録を受け、旧宿場町の雰囲気を伝えています。藤沢市は、2020年10月に旧桔梗屋を取得し、シンボル的な建物を保全し、魅力ある活用の実現に取り組んでいます。(詳しいことは、藤沢市ホームページ「旧桔梗屋の取組」)
旧鎌田商店会場
旧鎌田商店の蔵
笑顔の作者(ASADA氏、坪井美保氏)
坪井美保 作:ことばによらない空間との対話。そこに居ること。そこに存在する空気。空間とのせめぎあい。ゆるぎない何かを求めて創る。旅する。(*)
ASADA 作:今年も泳ごうか?変な生き物と過ごそうか?龍でも探そうか?鎧を身につけて戦おうか?藤沢では沢山やることがある!(*)
石黒和夫 作:今年で3回目の参加となります。今回もとても魅力的なスペースを使わせて頂く事になり、とても楽しみです。(*)
明治30年築の旧鎌田商店蔵、関東大震災にも耐えた藤沢最大級の木造石造りの蔵。明治から昭和初期にかけて肥料商や麦・米穀等の集荷商が集中したまちで、藤沢の姿を伝える貴重な存在です。旧鎌田商店は、今年、8年ぶりに会場になりました。
旧稲元屋呉服店会場
伊東 直昭 作:互いの正義の基、いがみ合うのなら、アートはそこの「善悪の彼岸」にあって、翻弄されるその他にとっての別の場所であったらいい。寄り道、道草、迂回できることは大切。カミサマも八百万くらいでいい(*)
旧稲元屋は、戦前の藤沢を代表する呉服商です。初代は、弘化2年(1845)に生家の家業である雑貨薪炭商「稲穂屋」を継いで現在地に創業しました。創業後間もなく呉服商に転業、さらに婚礼需要を見込んで箪笥部を加え事業を拡大しました。旧稲元屋は、明治24年10月明治天皇の行在所を務め、昭和初期までに皇族らの宿泊所として10度用いられるなど、藤沢でも有数の名家でした。昭和15年(1940)に建立された行在所記念碑も敷地南側に現存しています。かつては一番蔵から八番蔵までありましたが、昭和52年(1977)の火災、老朽化などにより内蔵・一番蔵の2棟のみが現存します。